SPECIALIST.02
燃焼への探求を続け半世紀以上。
今なお進化する高田の熟練技。

SPECIALIST INTRODUCTION
ナリタテクノ 営業部
高田 秀伸1972年入社
キャリアは半世紀以上遡る1972年から。
窯業や無機化学を専攻していた私が成田製陶所に入社したのは1972年。沖縄返還、日中国交正常化…なんて、もう大昔のことですよね。
大学では工学を学んでいたものの、燃焼技術に関する知識などまったく持ち合わせておらず。入社してすぐに専門知識を得るために東京ガスに出向しました。当時、素人の私に燃焼技術について手取り足取り教えてもらえる制度や環境などありませんでした。自ら何から知るべきかを考え、試し、壁にぶち当たり、ベテランに頭を下げ、そんな日々をくり返し「燃焼技術」とはなんたるかを学んだのは、まだ昨日のことのようです。

未知のエネルギー転換との格闘。
折しも出向のタイミングで、オイルショックがやってきました。原油価格の高騰は世界中の課題で、石油から天然ガスへのエネルギー転換が提唱されはじめたのです。より経済性の高い天然ガスを使った燃焼技術の開発が急務だと、世間からの注目が集まっていました。
工業用ガスバーナの開発も、化石燃料技術と天然ガスを用いた応用技術開発が並行して進められました。時代のニーズに応えられるガスバーナを作り上げるためにゼロからの格闘の日々でした。
天然ガスの特性とは何たるか。効率的に燃焼をおこす流体力学。その他、さまざまな外的要因について専門知識を習得していきました。試行錯誤を繰り返し、繰り返し、少しずつ正解に近づいていったものです。

環境条件を一致させることの大切さ。
NARITAが生み出すバーナは量産品だけではありません。お客様の抱える課題を解決するために、ニッチでピンスポットなご要望にお応えする製品を開発していきます。お客様が使用される環境に合わせた開発を進めていくのですが、完全に一致した環境下でテスト稼働を再現できるわけではありません。
若い頃の苦い思い出が私のトラウマになっています。はじめての納入先でした。実験環境では完璧に機能していたガスバーナをお客様のもとに納品・施工し、いよいよ試運転という段階で、機能云々どころか、全く着火さえしなかったのです。その原因を突き止められるエンジニアは私ひとり。プレッシャーのかかる現場でした。安定稼働を確実にするための徹底したプロセス管理と検査体制がいかに大切なのかを身を以て知っています。経験の数だけノウハウは積み重なっています。

オリジナルの最先端ハイジェットバーナ。
経験を重ねることで独自の新技術開発にも取り組んできたのです。
NARITAオリジナルの発想で、汎用的な工業用ガスバーナを作りました。いまや看板商品のひとつになっている「ハイジェットバーナ」です。約2年の開発期間を経てハイジェットバーナのプロトタイプを開発することに成功しました。
燃焼技術の最先端をいくドイツ製の工業用バーナと同等の高性能な燃焼を実現しました。
開発にあたってはライバル製品のカタログや実物を入手し、その仕組みを理解するところから始めました。ドイツ語はまったく読めませんけど、実物を見て、カタログに記載されている図を見て、スペックを見て、サイズや構造を測り、仕組みを理解し、それを凌ぐモノを作り出すのです。

世のモノづくりに役立つ存在であれ。
どんな仕事でもそうですが、初めから上手くいくモノなんてありません。たとえ同じような構造で作っていても不具合が出てしまうことはあります。それは何故なのか?どこに問題がある?
バーナ自体なのか、燃料か、温度管理か、はたまた素材に問題があるのか?図面や既成概念を超えた発想をします。あらゆる可能性を巡らせ、試し、改良を積み重ね、NARITAグループの品質が出来上がるのです。そして私が工夫を重ねて完成させた成果が今もどこかで世の中の役に立っているというのは嬉しいものです。